きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで
「……お前、またニヤニヤしてるぞ」

悠斗が怪訝そうな表情をする。

うわ、私、また顔に出ちゃっていたかな……?

「今日の真凜、なんか変だな」

「そう?」

私は満面の笑みで、彼を見上げる。

「悠斗が優しいな、って思っていただけだよ」

「なんだそれ」

彼は疑いを含んだ視線を私に投げる。


本当なのに。

彼の好きなメイクをしたことに気づいてくれるところとか、

興味がないふりをしていながらも本当はしっかり話を聞いてくれているところとか、

当たり前のようにさりげなく助けてくれるところとか、

いつもは歩くスピードが早い方なのに一緒にいる時は歩幅を合わせてくれるところとか、

いつもは早足なのに一緒にいる時は歩幅を合わせてくれているところとか、


本当に、全部―…。


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