先生との恋・番外編集・
それはわざわざ教えてあげないけれど。
「…岡本さんの顔がみたいなぁって思いました」
「は、キモ」
高橋からでてきた言葉に、
全力の気持ち悪く引いた顔と、言葉が出てしまった。
その顔を見て、申し訳なさそうに、傷ついたような顔をする高橋。
この顔もここ数日で見慣れた。
でも、
その顔が見たいっていうのは、純粋にあたしに会いたいって意味ではないことは分かる。
今日は。
「…あたしも“ああなるかも”って思って不安になった?」
相変わらず、あたしも意地が悪いなぁとは思う。
言い方はどうがんばってもかわいくなれない。
これがあたしだ。
少し意地悪な言い方のあたしに、高橋の表情。
図星みたいだ。
「知ってました?」
「アラームめちゃくちゃ鳴ってたし。バタバタしてたし。家族さん叫んでたし」
それは、夕方の出来事。
急変したそうな。
時々ある。
看護師さんがバタバタして、そして、
部屋のドアがしばらく閉められる。