先生との恋・番外編集・
あたしも今日の不眠はそれが少し影響しているから。
ベンチへ腰かければ、1人分離れて同じように座る高橋。
じっと見られるのにうんざりしながらも、お茶を飲む。
息を吐き出して、声をかける。
なんであたしが気を遣わなきゃいけないんだ。
「帰らないの」
ん?という顔をする高橋。
いや、だから。
「今日は仕事でいるわけ?それともいつものボランティア?」
「ボランティアって…」
馬鹿みたいに病院にいるんだからそうでしょう。
あたしならさっさと家に帰って好きなことして過ごしますけどね。
何が好きでずーっとこんなところにいるんだか。
「あたしとダラダラ喋る時間があるってことはボランティアでしょ?」
「…まぁ、そうかもしれないですけど」
「またこの前みたいに恋バナとかする気はないけど」
「それは、そうですね」
「…帰らないの?」
「帰る時間も惜しいというか、」
ぽつり、ぽつりと静かに言葉が落ちてくる。
医者の鑑。
熱心だこと。
看護師さんが心配するはずだ。