先生との恋・番外編集・
「…岡本さん、」
「っ!!!!」
時刻は深夜。
眠れなくて、喉が渇いたのと部屋にじっとしていられなくて、
こっそり1階の自販機まで病棟を抜け出してきてみた。
しん、と静まり返った中、
ガコンと落ちてきたお茶がやけに大きく響いて、それをしゃがんで取っていた時にいきなり声をかけられて。
足音や気配に全く気付かずいきなり声をかけられて、跳ねる心臓。
びっくりした…
きっと顔にも出てるだろうあたしの動きに、向こうも驚いた顔をする高橋。
いや、あんただからびっくりさせたの!
「び・・っくりしたぁ・・・」
「すみません」
ほぉーっと胸を抑えて息を吐き出すあたしを見て、困った顔をする高橋。
「…何」
「何じゃないですよ、どこに行ってるんですか。夜間は離棟禁止ですよ。…昼間もですけど」
「喉が渇いたの!」
近くのベンチへ歩き出すあたしの後ろをついてくる高橋。
歩き出す時にちらっと確認したけど、
どこかしら元気がない。
理由は分かってる。