この空の彼方にキミを想う〜向日葵のような笑顔〜
あの男の子は誰だったのだろうか。
私は確かに名前を呼んだ。全く思い出せない。
「痛っ...!!!」
突然頭に激痛が走った。
その後も思い出そうとする度に、頭を鈍器で殴慣れたように激痛が走る。
(もうこのことを考えるのは辞めよう。)諦めてもう一度コンクリートの上に寝そべった。
数時間前と違ってそれは茜色になり、烏(からす)が夕日の方へと飛んでいっている。
最低下校時刻は7時で、今は5時半過ぎとなると、ほとんどの生徒は部活を終えて帰っている頃かな。
私もそろそろ帰らないとな。
「よいしょ」と体を起こした。近くに置いておいたお弁当袋に弁当箱を入れて、屋上を後にした。
やはり、階段を降りると廊下や教室にはほとんど生徒の姿が見当たらない。できれば誰とも会わないように帰りたいな。
そして、自分のクラスへ戻り荷物をまとめる。
すると、女子が話している声が聞こえてきた。どうかこのクラスの人達じゃありませんように。