お見合いマリアージュ~敏腕弁護士との仮初めの夫婦生活、彼の愛は予想外でした~
いじわるなキス
「まさか…こんなスイートルームを用意しているとは…」

私達が店を出た後、宇佐美社長は「婚約祝いだ」と瓜生さんに何かを渡した。
ホテルの国賓が宿泊するエクゼクティブスイートのカードキーだった。

「…さすがは宇佐美社長…太っ腹ですね…」

「…本気で泊る気か?与奈」
「折角だし…」


私は目の前に広がるヨーロピアンテイストの部屋の内装に釘付けになった。

瓜生さんは半分呆れたように溜息を吐きながら、隣の部屋に行ってしまった。

私は高級ソファを腰を下ろし、辺りを見回した。

「…俺は適当に仕事するし…与奈お前は適当に寝ろっ」
隣の部屋から戻るなり、そう私に言い放った。
「…敏腕弁護士は多忙ですね…」

「猫の手も借りたいぞ…」

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