お見合いマリアージュ~敏腕弁護士との仮初めの夫婦生活、彼の愛は予想外でした~
葵から娘の莉緒に是非、俺と与奈の挙式のリングガールをやらせたいと強く頼み込まれた。

しかし、それは母親の葵の望みで、莉緒ちゃん自身は一人は嫌だと駄々を捏ねた。自分と同い年ぐらいの男の子と一緒ならやると言った。
莉緒ちゃんと同い年ぐらいの男の子…と双方の親族の中で捜したが、該当者居なかった。

そう言う理由で、内海の息子・聖斗君にリングボーイを頼んだ。

与奈も内海には世話になったし、内海の息子・聖斗君のリングボーイ役は喜んで承諾した。

「お姉さんの言う通りしていればいいぞ。聖斗君」

「うん、わかった」

聖斗君も黒いタキシード姿でおめかし。
隣に座る莉緒ちゃんはピンク色のフワフワの花柄ドレスに身を包んでいた。

「聖斗君、よろしくね」

「よろしく、莉緒ちゃん」

二人は今日が初対面だと言うのに、もう仲良しになっていた。

「き・よ・とくん」

宇佐美社長の鋭い目で聖斗君を見て、話し掛けて来た。

「あ、このひとがりおのパパだよ、聖斗君」

「充斗、顔が怖いわよ」

宇佐美社長は愛娘の莉緒ちゃんの仲良くする聖斗君を敵対視していた。

葵が二人の間を取り持つ。

「りおちゃんのパパ、カッコいいね」

「聖斗君のパパは?」

「僕のパパは居ない。ねぇ―ママ」

聖斗君は近くで控えていた内海に相槌を求める。

「まぁー」

「実は私も莉緒が生まれた時はパパ居なかったんですよ」

「そうなんですか?」






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