溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
 しかし実は日和美(ひなみ)が買った布団、中身が木綿(コットン)なのは、掛け布団も変わらない。

 今まで羽毛布団を愛用していた日和美は知らない。

 コットン入りの布団は、掛け布団もヘビー級。羽毛よりも大体二キロぐらい重いのだ。

 因みにコットン百パーセントの掛け布団は平均四.五キロ、敷布団は六キロくらいの重量があると言われている。

 いま日和美がえっちらおっちら運んでいるのは六キロぐらいある敷布団ということで。

 身長一五三センチの小柄な日和美がふらつくのも無理はなかった。


 祖母から、木綿の布団は陰干し推奨、直射日光に当てて干すのは生地を劣化させるからあまり良くないと聞いたことがある。でも今日ぐらいいいよね?と日和美は自分を甘やかしてみたり。

 きっとカバーを掛ければ布団自体の生地が傷むのだって防げるはずだ。

 どうせ枕だって新調しないと心機一転にはなりそうにないし、あとで『ファッションセンターしまむた』で買ってこよう、と心に決める。
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