溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
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「撮りますよ~? いいですか? ハイチーズ!」

 カシャッ!

 スマートフォンの自撮り機能を駆使して不破(ふわ)と二人、〝記録用の写真〟を数枚撮って。

 日和美(ひなみ)的にはもっともっとたくさん撮りまくりたかったのだけれど、一応自粛(じしゅく)して十枚以内に抑えておいた。

 撮った写真を見比べてどれを刷るか迷った挙句、どの不破もカッコよくて選べなかった日和美は、結局全てを印刷したのだけれど。

 不破はその中から一番最初に獲ったものを迷いなく抜き取った。
 何でも二人が一番〝自然体で〟写っているから、らしい。

「とりあえず。僕はこれを頂きますね」

 まるで次があるみたいな含みのある言い方をして、出来立てホヤホヤの写真の裏にすぐさま『日和美さんとぼく①』と書き添える不破を見て、日和美は彼が病院で言ったことを嘘偽(うそいつわ)りなく有言実行してくれることが嬉しくて堪らない。

(①ってことは②とか③とか……今からどんどん増えていくと思ってもいいの?)

 何だかずっとそばにいてくれると言われたみたいで、日和美の心がじんわりと温かくなる。

 日付は表面に印字されるように設定して刷ったので省いたらしい不破が、『日和美さん』と見出しみたいに書いて、その下に『(中点)』を打って行頭文字みたいにするから。
 基本細かいことはあまり気にしない性分の日和美も、さすがに(ん⁉︎ 何事!?)とソワソワしてしまう。
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