黒猫とばぁちゃん【短編】
それから、何度か寒い季節を越え、ばぁちゃんは今日、とうとういなくなってしまいました。
最後まで僕の頭を撫でながら。
ニャ~。
ばぁちゃん、とうとう本当にお別れなんだね。
「真紀さん、あの黒猫ちゃん、おばあちゃんの側から離れないわねぇ…。」
「そうなんですよ、お姉さん。お母さんがもう長くはないってお医者さんに聞いた後に、家で一緒に住もうって言ったんです。でも、家の娘にアレルギーがあったし、クロは一緒に飼えないからって説得して1度は里親探ししてもらったんですけどね…。でも結局、クロは手放さない、死ぬまで一緒にいるんだって…。お母さんに、あんなに頑固に拒否されたの初めてだったんですよ。……でも、私、今はこれで良かったんだと思います。もうダメだって言われてから10年も生きてくれましたし、なにより、お母さんの今の顔は幸せな眠りについているように見えるから…。クロとお母さんを引き離さなくてよかった。ありがとね、クロ。」
ニャ~?
最後まで僕の頭を撫でながら。
ニャ~。
ばぁちゃん、とうとう本当にお別れなんだね。
「真紀さん、あの黒猫ちゃん、おばあちゃんの側から離れないわねぇ…。」
「そうなんですよ、お姉さん。お母さんがもう長くはないってお医者さんに聞いた後に、家で一緒に住もうって言ったんです。でも、家の娘にアレルギーがあったし、クロは一緒に飼えないからって説得して1度は里親探ししてもらったんですけどね…。でも結局、クロは手放さない、死ぬまで一緒にいるんだって…。お母さんに、あんなに頑固に拒否されたの初めてだったんですよ。……でも、私、今はこれで良かったんだと思います。もうダメだって言われてから10年も生きてくれましたし、なにより、お母さんの今の顔は幸せな眠りについているように見えるから…。クロとお母さんを引き離さなくてよかった。ありがとね、クロ。」
ニャ~?

