本気の恋を、教えてやるよ。
「でも楽斗も、結構大変な女の子好きになっちゃったよな〜」
その言葉に、チラリと壱人を見る。
「稲葉さん、同期の中でもかなり人気あるし。狙ってるやつ俺何人か知ってるわ。まー、同期一のモテ男のキミなら余裕だろうけど」
「そんなんじゃねえよ」
狙ってる奴が沢山いるとか、同期一とか。
俺が稲葉を手に入れられない理由は──……。
「そんなんじゃねえんだよ……」
呻くように呟き、拳を握り込んでやりきれなさを閉じ込める。
稲葉を思い出すと、必ず背後に筒井の影がチラつく。その影が、稲葉を拘束して手放さない。
ソイツはいつも、蔑むように俺を見ていて──。
俺は指を咥えて、ただ眺めてることしか出来ない。
週末、華の金曜日。
パソコンを立ち上がると、珍しい人物からメールが入っていた。
「妻夫木……?」
なんか人事に出すやつ間違えてたっけ、と過去の仕事を思い返しながらメールを開き、目を丸くする。