本気の恋を、教えてやるよ。
作った笑みを貼り付けながらこちらを見ていたのは、昨日慶太の隣で勝ち誇った笑みを浮かべていた、浮気相手の女の人だった。
赤いルージュが弧を描き、ハッキリとアイラインの引かれた二つの目が獲物を狙うような鋭さでこちらを見ている。
「え、っと……」
……同じ会社の人だったんだ。
戸惑いながら女の人を見上げれば、その人はさらさらの髪を揺らし小首を傾げる。
「少し話したいことがあるの。お昼一緒にどう?すごく美味しいイタリアン知ってるのよ」
「あー……」
どうしよう、と少し離れたところでこちらを窺ってる梓ちゃんを見る。梓ちゃんは険しい顔で、私と女の人を見ていた。
私の視線に気がついたのだろう。女の人もついと梓ちゃんに視線をやり、すぐに私に戻した。
「二人きりで話したいのよね、お友達には悪いけど。お願い、今日だけでいいのよ」
「……分かりました。じゃあ、一言声掛けてくるので先に外出ててもらってもいいですか?」