本気の恋を、教えてやるよ。
「そんな女ほっといて私とお昼食べよ、茉莉」
そう私の手首を掴んで連れ出そうとしてくれた梓ちゃんに首を振る。
「駄目だよ。わざわざ来てくれたんだもん。……ごめんね梓ちゃん、今日は一人になっちゃうけど」
そう言うと、梓ちゃんは不満そうに唇を尖らせたけど。
じっと私を見て、私が折れないことを悟ると「…わかったわよ」と諦めたように頷いてくれた。
「でも、もしなんかされたらすぐ言いなよ。いいね?」
「うん、ありがとう」
梓ちゃんは聞き分けのない子供を見るような顔で私の頭を軽く撫でてから、外へと向かっていった。
廊下に出るには経理部の横を通らないといけないので、横切る刹那ちゃっかり女の人を睨みつけてたけど……。
それから、私も女の人のところまで戻る。
女の人は、目の前に立つ私を冷たい眼差しで見下ろした。
「……じゃあ、行きましょうか」
「はい」