本気の恋を、教えてやるよ。
そして、委員会当日。
五分前に会議室に行くと、既に殆どの人が集まっていて、慶太も来ていた。
慶太から離れたところに座るけど、慶太を中心に話が弾んでおり、時折慶太の話に対して明るい声がドッと湧く。
どうしてもそれに視線がつられてしまい、本当に昔の慶太のようだ、とぼんやり思う。
いつでも人の輪の中心にいて、ムードメーカーで、慶太も、その周りも笑顔が絶えなくて。
……いつから、狂ってしまってたんだろう。
──あの頃と違うのは、いつも合わさっていた視線が、まだ一度も絡んでいないということだった。
佐藤部長が来たことにより始まった委員会は、次回刊行予定の社内報についてをメインに進んだ。
席の位置的にどうしても視界に入ってしまう慶太は真面目にメモを取りながら話を聞いていて、よっぽど私の方が集中出来ていない。
本当に慶太、どうしてそんなに変わったの?──ううん、元に戻ったの?