本気の恋を、教えてやるよ。



差し伸べてくれた駒澤くんの優しい手を、自ら振りほどいて。


慶太のそばに居ることを選んだ。


私に、傷つく資格なんて無い。

傷つけたのは、私なのだから。


その後、どんな風にその日をやり過ごしたのか、遊園地で何をして遊んだのかはあまり覚えていない。


ただぼんやりと一日を終え、現地解散した後で私は梓ちゃんを近くのコーヒーショップまで誘った。


それは勿論、駒澤くんとのこと、慶太とのことを話すために。






「それで、話って?」


ミルクたっぷりのカプチーノをかき混ぜながら、頬杖をついて私を見上げる梓ちゃん。


「そんな深刻そうな顔してどうしたのよ。茉莉、最近浮かない顔ばっかり」

「う、ん……あのね」


なかなか言い出せない私に、だから何よ、と苦笑いする梓ちゃん。


私は、きゅ、と唇を一度引き結んでから、思い切って話を切り出した。


「駒澤くんと、別れたの」



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