本気の恋を、教えてやるよ。
食べている間、何度も楽斗ははにかみながら「美味しい」と伝えてくれて、私まで幸せな気持ちで満ちる。
楽斗を喜ばせたくて始めたことだったけど、私の方が嬉しくなってしまってるかもしれない。
ご飯粒ひとつ残さずに完食してくれたお皿を下げようとすると、「俺が」と楽斗に止められる。でも、首を振ってその申し出を断った。
「今日は全部私にやらせて?そうだ、アイスも買ってあるんだけど、食べれる?」
「食べれるけど……」
「じゃあ持ってくるね!」
そんなに枚数もないから先に洗ってしまおう。
そう考えながらお皿を水にさらし、スポンジを手に取ろうとした時。
「茉莉」
いつの間に着いてきていたのか、真後ろに立った楽斗が、耳元で私の名前を囁いた。
びくっ、と反射的に肩を跳ねさせるのと同時、お腹の辺りに筋肉質な腕が回る。そのまま抱きしめるように力を込められて、途端体温が上がってしまった。