本気の恋を、教えてやるよ。
「ら、楽斗?」
「それ、俺が後で洗うから……折角二人きりなんだし、もうちょっと構って欲しいんだけど」
ザアザアと流れていた水まで止められてしまう。
ちらりと横を見ると、ちょっぴり不機嫌そうに顰められた綺麗な顔があった。じっとりと責めるように黒曜石のような瞳で見つめられ、たじろぐ。
「あ、え、えっと……」
「一緒に休憩しよ」
戸惑っているうちに腕を掴まれ、ソファーまで逆戻り。
そのまま、後ろから抱え込まれるように二人ソファーに座り込み、背中に密着する体温に心臓が異常なほど駆け足を始める。
「ち、近くないかな……!」
「……家なんかに呼んだアンタの自業自得」
そう言った楽斗が、私を抱き込む力をますます強める。それから、ポツリと呟いた。
「さっき、泊まってもいいって言ってたけど……本当に?」
「え?あ、うん。それは勿論──」
「付き合ってる二人が一晩一緒に過ごす意味、分かってて言ってるんだよな」