本気の恋を、教えてやるよ。
*º茉莉side.
あの後自席に戻ると、新田さんはもう居なかった。
顔の腫れも、駒澤くんのお陰で目立たない程度にまで落ち着いていて、部員に指摘されることも無く。
結構長かったけど、何かトラブル?と隣の先輩が心配してくれたが、それも解決しました、となんとかごまかせた。
席に戻った頃にはもうお昼が近く、席を外している間のメールをチェックしているうちにお昼休憩を報せるチャイムが鳴ってしまう。
周りがちらほらと席を立った頃、梓ちゃんが心配そうな顔でやって来た。
「茉莉……!」
「梓ちゃん」
そういえば、駒澤くんに声を掛けてくれたのは梓ちゃんなんだよね。
「色々確認したいことはあるけど、一旦出ましょ。今日は近くのカフェね」
いい?と聞いてた梓ちゃんに頷き、すぐ隣のビルに入っている珈琲の美味しいカフェに向かう。