本気の恋を、教えてやるよ。
カランコロン、鈴の音と共に店員さんがやってきて、梓ちゃんが「人と待ち合わせてるんで」と店員さんに告げる。
……ん?待ち合わせ?
梓ちゃんのセリフが引っかかり、首を傾げながら後ろを着いていくと……。
「駒澤ごめん、お待たせ」
「駒澤くん!?」
なんとそこには、駒澤くんが待っていた。
駒澤くんは弄っていたスマホから視線を上げ、それを来ていたパーカーのポケットに仕舞いながら「いや」と応える。
「俺も来たばっかだし。お疲れ」
おつかれー、と軽く返す梓ちゃん。
でも私は未だに混乱していて、とりあえず梓ちゃんに倣って隣に座った。
「えっと、あの……?」
「私が呼んだのよ。お礼にお昼でも奢ろうと思って」
「えっ、そんな!私が二人に奢るよ!」
「いや、お礼とかいいから」
梓ちゃんの言葉になるほどと頷くのと同時、助けてもらったのは私なのに!と慌てると、駒澤くんが手を突き出し嫌そうな顔をする。