本気の恋を、教えてやるよ。
それにきっと、立木さんも喜ぶだろう。
慶太には、私じゃなくて立木さんのような美人さんが似合う。それに、慶太だってそっちの方が嬉しいだろう。
本当にこうしてみると、慶太が私と付き合うメリットって無いなあ……。
午後の業務が終わり、家に帰ってから【慶太と別れ話してみる】とメッセージを送ったら、梓ちゃんは大喜びで、【絶対それがいい!頑張れ!】と応援してくれた。
そして、日曜日。
少し緊張しながら、付き合い始めの頃に貰ったカードキーでオートロックを解除し、慶太の部屋の前に立つ。
デートといっても、この一年は慶太の部屋で過ごすことが殆どで、どこかに出かけたのはかなり前が最後だ。
部屋の前にもチャイムがついているからそれを鳴らすと、暫くしてまだ眠たそうな慶太が出てきた。
寝癖もついてて、トレーナー姿の慶太は寝起きなのが丸わかりだった。……もう、十時なのに。