本気の恋を、教えてやるよ。
乱暴なキスのせいで、唇のどこかが傷ついたのか、荒らされる咥内は鉄の味がした。
なんで?
なんで、こうなるの……?
「なんで……っ…!」
やっとの事で唇が離された時、思わずそう悲鳴をあげる。
慶太の瞳は、怒りで染まっていた。
「なんではこっちの台詞だろ。別れようなんてそんなの、俺が許すと思ってんの?何回言えば分かるんだよ」
「だって……!」
慶太が私と付き合う意味ってなに?
私が慶太と付き合う意味ってなに?
もう、混乱してよく分からないよ。
慶太が浮気しても、私のことを殴っても、許してあげよう、受け入れてあげようって、そう思ってたけど。
それが私の愛だって、思ってるから。
でも慶太は、そもそも私に愛して欲しいだなんて思ってるの?
こうした方が、慶太の為なんじゃないの?