本気の恋を、教えてやるよ。




乱暴なキスのせいで、唇のどこかが傷ついたのか、荒らされる咥内は鉄の味がした。


なんで?

なんで、こうなるの……?


「なんで……っ…!」


やっとの事で唇が離された時、思わずそう悲鳴をあげる。


慶太の瞳は、怒りで染まっていた。


「なんではこっちの台詞だろ。別れようなんてそんなの、俺が許すと思ってんの?何回言えば分かるんだよ」

「だって……!」


慶太が私と付き合う意味ってなに?

私が慶太と付き合う意味ってなに?


もう、混乱してよく分からないよ。


慶太が浮気しても、私のことを殴っても、許してあげよう、受け入れてあげようって、そう思ってたけど。


それが私の愛だって、思ってるから。


でも慶太は、そもそも私に愛して欲しいだなんて思ってるの?

こうした方が、慶太の為なんじゃないの?




< 64 / 392 >

この作品をシェア

pagetop