角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
──ドーン。パンパンッ…
突然、響き渡る大きな音。
その音に目を開けると、暗闇の向こうには、輝かしいほどの光が見えた。
夜空に浮かび上がる、無数の光る花。
「うわー、すごい……っ!」
あまりにも綺麗で、声が漏れた。
「ほんとだ、すげー」
私を引き寄せながら、隣で先輩も花火を見つめる。
「ね、先輩、すごいですね! 綺麗ですね!」
思わず私がはしゃいでしまうと、
「瑠衣、興奮しすぎ」
先輩は、口角を上げてニヤッと笑う。
うっ……。子どもっぽいって思われちゃったかな。
「でも、その表情もすげー可愛いよ」
「っ……」
チュと触れるだけのキスをされる。
先輩にとって、きっと恋は慣れているもので。
私ばかりどきどきしてしまう。
ドーン。パンパンッと遠くで響き渡る花火の音。
だけど、先輩はずっと私の方ばかり見ているから。