角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「そ、それは……」


今ここで相手を男の子だと肯定しちゃったら勝手に噂が広まりそう。


「んもー! 瑠衣がお菓子を誰にあげるとか散策しなくていいから、向こう行ってて!」

「えー、でも気になるし……」

「とにかく今、大事な話してるんだから!」


日向くんに向かってしっしっと手で払うようにすると、「ちえー」と日向くんは納得してないような表情で遠ざかった。


でも、つばきちゃんのおかげで助かった……。


「つばきちゃん、ありがとう」

「いーのいーの。そんなことよりこれ早く先輩に渡した方がいいよ。日向くん、瑠衣のお菓子狙ってるみたいだし」


日向くんがお菓子を狙ってるかどうかは分からないけど……。


「……実はね、まだ連絡できてないの」

「えーっ、なんで?」

「だって緊張しちゃうというか、食べておいしくないって言われたら怖いなぁって思って……」
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