初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜



 観念して隣に視線を向けると、そこにはテーブルに肘を付き、美人な顔を不機嫌に歪ませた新田さんがいた。
 非常にめんどくさい。B定食今日はトンカツか、なんて思いながら現実逃避をする。



「なんでダメなんだよ。香苗が飲みたいって言ってた季節限定のアレ、今日までだろ」
「だーかーら、同じ学科の友達とレポートやるんです」
「それって今日じゃなきゃダメなの?」
「しつこい」
「つーかそれ、男?」
「え? まぁ、中にはいますけど」
「はぁ? なんでだよ、却下だろ」
「はぁ?」



 思わずフォークを落としそうになる。
 いや、何故その場に男がいることで新田さんに却下されなきゃならないのか。
 訳が分からなさすぎて、どういうことなのか理解ができない。
 
 
 なのに、新田さんはまるで私を責めるような視線を寄越す。


 いや待て、色っぽいな。


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