初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜





「オイ香苗」



 来た。
 近づく気配に気付かないふりをして学食のボロネーゼを口に運ぶ。


 隣の席にドカリと座る気配を気にせず、目の前に座る友人に視線を向ける。
 すると、友人の隣にも先輩が座り、申し訳なさそうにこちらを見て眉を下げていた。



「ごめんな香苗ちゃん。コイツどうしてもここに座るって聞かなくて」
「いえ、先輩のせいではないので」
「私は嬉しいです」
「お! 彼女が素直で俺も嬉しい〜」



 先輩の言葉に食いつくように友人は声を上げる。
 つい先日先輩との恋を実らせた友人は有頂天、二人のナチュラルにいちゃつく様を見つめていると、ぶすりと頬をつつかれる。


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