理想の恋愛    〜高校生編〜
 母親は、
「高校まで送るようにしよっかぁ。」
「いや、大丈夫。」
「でも・・・。」
「本当に大丈夫だから。何かあったらすぐ電話する。そしたら、来てくれる?」
「もちろんよ。絶対よ。」
「うん。ありがとう。」
 私は、どうしても、もう一度、助けてくれた人に会ってお礼が言いたかったため、電車通学をやめなかった。
 電車通学してれば、必ず会えると思った。

 次の日からも、電車で通学した。
 ゆきちゃんも心配してくれた。
 でも、理由を話した。
「一目惚れってやつだね。いいね。
 頑張って見つけて。」

 何日か経っても会えなかった。
『なかなか会えないなぁ。でも、諦めない。』
 
 思い立って、お礼の品を買うことにした。
 リングピアスにした。
 いつも持ち歩いていた。

 
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