ゆるふわな君の好きなひと

 由利くんはいつも無気力でふわふわで。授業中はほとんど寝てるし、やることなすこと適当で頼りない。

 だけどそこらへんの女子よりも整った顔立ちをしているせいか、ちょっと気怠そうな雰囲気が色っぽくも可愛くも見えるせいか、周囲の人間が彼を放っておかない。

 何もできていなくても許したくなってしまうし、何もできていなかったらつい手を差し伸べたくなってしまう。

 由利 圭佑という男はそういうタイプだ。

 とにかく、人に甘えるのがうまい。それも、天性で。


「ねぇ、青葉は放課後ヒマなんだよね?」

「ヒマじゃないよ」

「だったらどうして帰んないの?」

「由利くんが離してくれないからだよ」

「ん?」

 わたしのスカートは、もうずっと由利くんにつかまれたままだ。

 わたしに指摘されてスカートにちらっと視線を向けた由利くんは、それを離すどころか、ますます強く握りしめてきた。


「え、離してよ」

 なんなんだ、この子は。通りすがりにずっと人のスカートをつかまえて。

 綺麗な顔で可愛く笑えば許されると思ってるのかもしれないけど、よく考えてみたらセクハラ一歩手前じゃない?

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