ゆるふわな君の好きなひと
「由利くん、先生に呼ばれてるんじゃないの?」
「えー、そうなの?」
「そうなの、じゃないよ。さっき自分で言ってたじゃん、眞部くんに」
「そうだっけ」
もしかして「先生に呼ばれてる」ということ自体、眞部くんと璃美を気遣っての嘘だったんだろうか。
机の上に顔を伏せてダラダラしている由利くんの言葉は、何が本当で嘘なのかがさっぱりわからない。
「とにかく、スカート離して。わたしはもう帰りたい」
由利くんにしっかりと握りしめられているスカートの裾を力いっぱい引っ張っていると、彼が頭を机に付けたまま顔をわたしのほうに向けて、クスクスと笑った。
ふわふわした笑顔で軽くスカートをつかんでいるように見えるのに、由利くんの力は見た目に反して強い。本気で引っ張っても、彼の手からスカートが引き抜けない。
もう、何なの。
困り顔になっているわたしを、由利くんが楽しそうに見上げてくる。