慶ちゃんが抱いてくれない!




3日後。





火葬も終わり、遠くに住んでる親戚や泊りがけで葬儀を色々と手伝ってくれた兄貴達は帰って行った。




桃菜は真穂が息を引き取ってからずっと泣いていたのに、葬儀が忙しくてあんまり一緒にいてやれなかったな……。




車で親戚を駅まで送った帰りに、やっと桃菜と二人になったが桃菜は泣き疲れて助手席で眠っていた。





家に着くと寝ている桃菜を抱っこして車から降ろそうとすると、桃菜はパッと目を覚ました。





「抱っこいいのー……小さい子じゃないから自分で行くのぉ」





そう言って車から降りて走って家の中に入って行ってしまった。







落ち着くまで仕方ないか…









家に入ると、家の中は静まり返っていて…







いつも明るく出迎えてくれていた真穂がいない事を実感させられる。






この喪失感は思っていた以上に辛い。





風呂を沸かして、気を紛らわせる為にテレビを点けて流れている映像をボーッと眺めていると風呂が沸く音がして部屋にいる桃菜に風呂に入るように声を掛けた。




「桃菜、お風呂一緒に入るか?」

「入らないのっ!一人で入れるもんっ」




昨日は真穂と入りたかったみたいだから仕方ないけど、少し寂しかった。
まだ二年生なのにと思ったけど……そろそろ一緒に入らないもんなのか?




桃菜がお風呂から出るとドライヤーを持って来たので髪を乾かしてあげた。






「お部屋行くー」

「あぁ……おやすみ」





今日は一緒に寝たかったけど……。





はぁ……俺も風呂に入って寝るか。





湯船に浸かって一息つくと、また涙が流れてくる…。





父親として桃菜の事支えないといけないのになかなか気持ちの切り替えが出来なくて…俺は本当に不甲斐ない父親だ。

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