唯くん、大丈夫?
「やっと起きたな!お前まーた遅刻すんぞ!あ、飯は遅刻してでも食えよ?結局昨日寝ちまって食ってねーんだから」



…外が明るい。


朝だ。




「あれ?俺なんでベッドに…?」


ベッドにもたれてたはずなのに、しっかり布団の中に入っている。


「…さーな。妖精さんが運んでくださったんじゃねーの?」


親父が分かりやすくよそよそしい顔をする。


「……随分でけー妖精さんだな」


「なんだと?やんのかこら、おん?」


「あーよく寝た。優しい妖精さんありがとう」


親父がちょっと照れ臭そうに舌打ちしながら部屋を後にして、俺は部屋の時計に目を向けた。




7時38分…?もう遅刻確定じゃねーか。


俺は急ぐのを諦め、ひとまず朝飯を食べようと温かいベッドから抜け出した。

リビングに行くと、豪華な焼き魚定食が出来上がっていた。


「母さんが絶対にちゃんと食えってよ。残すなよ」


腹の虫が鳴って、ゴクリと喉が鳴った。


「…うん。いただきます」
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