唯くん、大丈夫?
確かに唯くん、元気そうだ。

というか、元気すぎだ。




顔色のいい唯くんを見てると、唯くんが「なに?」と私を見かえす。




「…えへへ」





一時はもうフラれると思ってた唯くんと、仲直りできたんだと実感して、笑みが溢れる。





「ゆーいくん!」


私は勢いよく唯くんの腕に抱きついた。



「…」


よいしょ、と唯くんがそれをはがす。



「あはは!うれしいなー!」


「なにそれ」



私の"いつも通り"が



戻ってきた!!




「あはは!ウキウキハッピー!いぇーい!!」




舞い上がってスキップする私を見て唯くんが口角を上げた。




「ねー唯くん!手は?手、繋いでもいい?教室まで!」


「うん」


「は…え!?いいの!?」


「うん」



絶対断られると思ったのに!!



「ぃやったぁぁぁー!!」





ルンルンで唯くんの手に自分の両手をのせる。



唯くんが「両手は歩きづらいだろ」と至極真っ当な注意をして、

「失敬失敬」とヘラヘラ片手を取り下げた時だった。





「…元気そうですね」




ん?


この声は…





声のする方へ振り返る。
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