唯くん、大丈夫?
「ユリアちゃん!」



相変わらずスーパーモデルのようなユリアちゃんが立っていた。



「どーも。」



腕を組んで斜めから私たちを見るその姿には、
唯くんを手に入れようとしていた紫藤ユリアの気配は微塵もない。



「一応謝っておこうと思って来てみたんですけど…私、いい当て馬だったみたいですね?」



ユリアちゃんが鼻で笑った。


あ、そうだ、ユリアちゃんのことまだ唯くんに言ってないじゃん!



「唯くん、あのね、ユリアちゃん勘違いだったみたいでね、」



私が唯くんに向かってしどろもどろ説明してるところにユリアちゃんが近づいてくる。



「えっと、美琴のファンだったんだけど、唯くんが美琴を捨てた、みたいな、」


「?」



支離滅裂な私の説明に唯くんが首を傾げる。



「あぁ〜、ダメだ!ユリアちゃん!唯くんに説明してくれる?」



ユリアちゃんは私達の真横に来て足を止めた。



「いいですよ」



そう言ってユリアちゃんが私の肩に手を置いて、顔を覗き込むように屈んだ。





チュッ。






< 156 / 456 >

この作品をシェア

pagetop