唯くん、大丈夫?
「最悪ってひどーい。傷ついちゃう。えーん。」


全然傷ついてない様子の長嶺君に、私は心から蔑んだ目を送る。


「チャラいイケメンは嫌いなの。シッシッ!」

「え、イケメン?やった。ねー、羽根村なんて言うの?下の名前は?」

「ゆ……はっ、言いません!」

「ゆ、か……」

「えっ!なんでわかったの!?」


目を丸くする私に、なぜか長嶺君も目を丸くする。



「………ゆか?」

「うん。だからなんでわかったの?」

「……ブッ」


長嶺君が突然私の顔を見て吹き出した。

そして私を指差して全力で笑い始める。


「アッハハハハ!!『ゆ』から始まるの『か』って言ったんだよ!」

「…!!」


ふ、不覚…!


長嶺君は目尻に涙をためて震えながら笑ってる。


「はー、おもしれぇ。はねむらゆか、ね。覚えた。」

「覚えなくていいです!」

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