唯くん、大丈夫?
「はー、腹いてぇ。コピーでいいよね?俺も復習に使うからさ。」

「えっ、あ、うん……あ、待って私が行くよ!」

「いーよいーよ、飲みもん買うついでだから。ちょっと待っててー」



そう言うや否や長嶺君は小走りで教室を出て行ってしまった。



私はへなっとイスにうなだれて、自分のノートの情けない文字たちを見る。



私、大丈夫?

ノートもまともに取れずに、隣のチャラ男に見せてもらうなんて。

初日からこんなんで、本当に夏を越せる?

こんな調子で明応大なんて、本当に行けるの?




緊張疲れと勉強疲れと長嶺疲れで

体がどっと重くなる。




どうして疲れると、心まで弱ってしまうんだろう。

< 206 / 456 >

この作品をシェア

pagetop