唯くん、大丈夫?
「だから、妄想でね、デートをするの。お祭りデート。じゃあ行くよ!えっと、待ち合わせは春寝駅ね!唯くんは何色の浴衣着てくる?」


「…なんか恥ずいんだけど」


「いいじゃんいいじゃんっ。大丈夫だよ、私たちだけしか聞いてないし!ねね、何色〜?」


「……黒」


私は春寝駅で黒い浴衣を着て待つ唯くんを想像する。


「……デュフッ」


「きも」


「ごめんなさい」


最高かもしれない。

妄想の中の唯くんの浴衣もそうだけど、唯くんがちゃんと考えて浴衣の色を選んでくれたということがなんかとても良い!


「…優花は?何色の浴衣持ってんの?」


お。唯くん、なんだかんだ妄想デートに付き合ってくれるみたい。


「えっとー、白地に水色の紫陽花が描いてあるやつ持ってる!」


「帯は?」


「んーと、ちょっとくすんだピンク!」


「…髪型は?」


「やっぱりアップかなぁ。浴衣にはちょっと下めのお団子が素敵だよねぇー!」


「…」


「唯くん?」


「…」


「おーい」


「…うん。」


「なした?」


「なんも?」


「?」


なんだろう?まぁいっか。
< 215 / 456 >

この作品をシェア

pagetop