唯くん、大丈夫?
…と、
いうわけで唯くんは今、一生懸命頑張っている。
「写真撮ってください♡」
「握手してください♡」
「指ハートください♡」
「…」
相変わらず死にかけの愛想笑いで、言われるがまま対応する唯くん。
…見てられない。
「かわいそうに…仁平の個人的な感情入れすぎだよな」
仲山くんが椅子をゆらゆらさせながら言った。
「まさか唯くんのご両親と知り合いだったなんてねぇ」
「母ちゃん挟んで三角関係だったんだろ?そんなこと本当にあるんだなー」
お父さんは明るくてワイルド系なイケメンだったけど、お母さんはどんな人なんだろう?
相当な美人さんなんだろうなぁ…
「つーかそろそろ受付当番変わってくんねぇかな。外で激かわメイドのしおりんが宣伝に行ってると思うと、俺、もう心配でどうにかなりそう…」
仲山くんが頭を抱えた。
「私もせっかく唯くんと同じ時間の受付当番にしたのに、仲山くんとやって終わっちゃいそうだよー」
唯くんと一緒にまわろうねって言ってたけど、それどころじゃなさそう。ぴえん。