唯くん、大丈夫?





…と、


いうわけで唯くんは今、一生懸命頑張っている。



「写真撮ってください♡」

「握手してください♡」

「指ハートください♡」



「…」



相変わらず死にかけの愛想笑いで、言われるがまま対応する唯くん。


…見てられない。



「かわいそうに…仁平の個人的な感情入れすぎだよな」

仲山くんが椅子をゆらゆらさせながら言った。

「まさか唯くんのご両親と知り合いだったなんてねぇ」

「母ちゃん挟んで三角関係だったんだろ?そんなこと本当にあるんだなー」



お父さんは明るくてワイルド系なイケメンだったけど、お母さんはどんな人なんだろう?

相当な美人さんなんだろうなぁ…



「つーかそろそろ受付当番変わってくんねぇかな。外で激かわメイドのしおりんが宣伝に行ってると思うと、俺、もう心配でどうにかなりそう…」

仲山くんが頭を抱えた。

「私もせっかく唯くんと同じ時間の受付当番にしたのに、仲山くんとやって終わっちゃいそうだよー」




唯くんと一緒にまわろうねって言ってたけど、それどころじゃなさそう。ぴえん。
< 236 / 456 >

この作品をシェア

pagetop