唯くん、大丈夫?
次の当番の子と交代して、私は自由時間になった。

唯くんはいつのまにかいなくなってて、多分どこかに逃げたんだと思う。

うーん、ひとりでまわるのは寂しいなぁ。

委員長は相変わらずどこかに宣伝に行ったままだし、モモちゃんはこの時間フード担当で忙しそう。

美琴、今なにしてるかな?

美琴のクラス行ってみよーっと。

私はひとり教室を出て、美琴のクラスを目指して歩き始める。




「優花?」





後ろから声がして振り返り、私はその声の主に顔をしかめた。






「うわぁ…チャラ男だ…」




「どーもーチャラ男でぃーす。」




お金持ち高校の高そうな制服を身に纏ったみねくんがヘラヘラ手をあげた。

…かなぁーり、目立っている。

浦高ではなかなかお目にかかれない金髪と、ピアスやアクセをジャラッとつけてるせいだ。

後ろにはイケメン黒髪パーマのチャラ友達、太一くん。


「いつも光が世話になってまーす」

「あ、どもー」


太一くんはTHE・チャラ男な見た目のみねくんと違って物腰柔らかな雰囲気があって、

ニコニコの笑顔につられて私もついヘラヘラする。

みねくん曰く、悪いやつじゃないけど太一くんの方がチャラくて危険らしい。


< 237 / 456 >

この作品をシェア

pagetop