唯くん、大丈夫?

「け、けし…?」


「早よ着替えて」


「え!?で、でも」


「危険」


「危険って、そんな大袈裟な…」


ヘラヘラする私を牽制するように、眼鏡越しの三白眼で私を見据える。


そしておもむろに私の胸元のリボンを綺麗な人差し指で掬った。





「…脱がしてあげようか?」












「あ!!」




後ろから聞こえた女の子の声に唯くんがビクゥッとする。





「メガネ執事くんいたー!!」





唯君がすくっと立ち上がった。




「とにかく、着替えて、今すぐ」


唯くんは慌てて私にそう言い残して、廊下を早歩きし始めた。



「九条くん!待って!ツーショ撮らせて〜!!」

「おかえりなさいませお嬢様って言ってください♡」



引き攣った笑顔の執事の後ろをキャーキャー言いながら女の子たちが追いかけていく。









顔が、熱い。

唯くんが急に変なこと言うから。



それにしても、あっという間に私の唯くんタイムが終わってしまった。

もっと一緒にいたかった。

私もツーショしたい!

おかえりなさいませお嬢様、してもらいたい!

唯くんタイム、全然足りない!ぴえん!!

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