唯くん、大丈夫?
「…ないないないない。やめてよ。」


俺は首を振って自分に言い聞かせるように半笑いで言う。


「へえ…?」


「そもそも女として見れねーし。こっちが反応しねーよ。」


「考えないようにしてるだけじゃなくて?」


「…」





それは、ちょっとある。





何も言えない俺に女があーあ、という顔をして、ちり…と苛立ちを覚える。



「…本当にないよ」



女の顎に指を添えて自分の方に向けさせると

M心をくすぐられるらしい女が少し熱を帯びた目を見せた。



「俺はお前みたいなクズな女が好き。」



そう。

貞操観念がゆるくて、誰にでも抱かれるかわいいクズな女。

そういう女を抱いてる時間が一番落ち着く。



「私も光みたいなクズ、好きだよ。」



そう微笑む女を見て、そういえば優花と同じ高校の制服着てたな、と思い出した。

…どうでもいいか。



どちらからともなく唇を寄せて、深くしていく。


「…ん…」


セブンスターが口の中に溶けていくこの感じ、嫌いじゃない。


舌を絡ませてやらしい音をさせながら、ベッドにゆっくりなだれこんだ。



「…ねぇ。もう一回しよ」



白レースのブラ紐をずらして、肩に唇を這わせながら囁いた。



「いいけど…時間大丈夫?」



その言葉にハッとして、小さなアナログの置き時計に目を向ける。



「あー…大丈夫じゃないわ」



名残惜しい気持ちをなすりつけるように女をきゅっと抱きしめて軽くキスする。



「はぁ…帰りたくねぇなー」



言葉とは裏腹にベッドを降りて制服に袖を通す、いい子ちゃんな俺。
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