唯くん、大丈夫?
「…模試の結果、よくなかったんだ?」


「…」


「もう気にしなきゃいいんじゃない?親のことなんて。」


「…はは、そうもいかねぇのよ。」


ベッドからこちらを見上げる女に別れのキスをする。


「また今度続きしよ」


「あ、光」



足を組んで余裕な笑みを浮かべてこちらを見る女。



「辛い時に一番に会いたくなっちゃったら、それはもう末期だよ」



…まだ言うか。



「肝に銘じておきまーす。」




恋の歌を歌って煽ってくる女を無視して金を置き、部屋を後にした。


ギラギラしたラブホ街を歩いてると、ポケットのスマホが振動する。






『そういえば私が図書室に入るとこを見て先生に報告してくれた男の子がいたんだって!みねくんの高校みたいだけど、なんか知ってる?』




「…」







それ、俺でーす。







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