唯くん、大丈夫?
Examination

唯くんの悪ふざけ。

冬。








冬が来た。












「……ん、」



私は覚えのある痺れに自分の胸元を慌ててチェックした。


「あっ」


私がそれを見つけて声をあげても、唯くんは悪びれもせず片側の口角をあげた。



「困るよぅ、唯くん…」


「ごめんね」


「素直か」



私が抗議してるのは胸元にほんのり赤く色づく、唯くんにつけられたそれ。



「見えないから大丈夫。角度によっては。」


「角度によっては見えるんじゃん!」


「見えるような角度を見せなきゃいい」


「み、見えるような角度を見…?」



日本語の迷宮に迷い込んだ私をよそに、唯くんは私を後ろから抱きしめて「あったか…」と暖をとってる。

いちいちかわいいのでやめて欲しい。





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