唯くん、大丈夫?
「仕方なかったんだよ。別れるのは必然だった。うん。」



「…」



「…はい!この話はもうおしまい!やだねー4年も前の恋を引きずる女~!あはは」



「優花。」



美琴が私をしかりつけるようにピシャリと呼んだ。



「唯は生きてるんだよ。」



手が反射的にビクッとしてしまう。



「会おうと思えば、会えるんだよ。」


「…」


「今からでも遅くな…

「遅いよ。」


私は美琴の言葉にあえて自分の言葉を被せた。


「…遅いの。もう遅いんだよ、美琴。唯くんも、もう次の人生を歩いてる。それも、4年も。」


私は腰をあげる。


「あー、今日は手土産もなくきちゃったから、また明日同じくらいの時間に来てもいい!?」


「それは、もちろんいいけど…」


私はさっきからキラキラ光り輝く美琴の左手薬指に目を向ける。



「フフ。明日はその薬指について聞かせてね!」


私は手を振って病室の扉へと向かった。


「え、ちょっと、行っちゃうの?」


「おじ…純くん!邪魔しちゃってごめんね!また!」


「あっ、うん…!」


「ちょっと!優花!」


「じゃーまたね〜!」





パタン、とその扉を閉める。







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