唯くん、大丈夫?
2時間ほどみんなで飲んで、会計を済ませて店の外に出る。


みんなはトイレやらなんやらでまだ出てこなくて、私は1人夜空を見上げた。


んー、星は少ないけど夜風が気持ちいい。








「ゆ〜〜〜か〜〜〜」

「ひゃぁ!!」



突然耳元で囁くおどろおどろしい声に私は飛び上がる。



「びび、ビックリしたぁ!美玲(ミレイ)ちゃん!」

「ビックリしたのはこっちだよ!今日呼ばれるまで私、知らなかったんだからね!」


眉間に皺を寄せて私を見下ろす女子力の高い女の子、林 美玲ちゃん。


私に垢抜けメイクや美容法を教えてくれたのはこの美玲ちゃんだ。


美玲ちゃんはいい匂いをさせながら私の肩をガシッと掴んで寄りかかる。


「まぁいいさ、優花がどうして急に心変わりしたのかはわかんないけどぉ、優花が決めたことだし。長嶺いい男だし絶対大切にしてくれそうじゃん?」


酔っ払いの声を出しながら私の頭をなでなでしてくれる。

なんだかんだで美玲ちゃんも心配してくれてるんだよね。


「…うん。ありがとう、美玲ちゃん」

「でもね、優花。背後には気をつけなよ。」

「え?」


< 400 / 456 >

この作品をシェア

pagetop