唯くん、大丈夫?
俺は言われた通り、少し大人になって驚くほど綺麗になっていた優花を想像する。
…優花
ごめん
また泣かせた
カウンターの端にあった明らかに男物の腕時計と
スマホ画面の『長嶺 光』の文字
瞬時に、優花の家に上がる関係なのだと悟った。
優花があいつに触られるところを想像したらもう、駄目で
どうしても自分のものにしてしまいたくなった
これで最後になるなら少しでも俺の爪痕を残してやろうって
優花の気持ちも考えずに最低なことをした
ごめん
ごめんな
もう優花の前に現れたりしないから
もう 泣かないで
「…いいよ、ユイ。いい表情だ。」
優花にはもう、いるんだ
いつも泣かせてしまう俺と違って
どんなときも優花を笑わせてくれる、アイツが
俺じゃないんだ
優花を幸せにしてやれるのは