唯くん、大丈夫?
「「…」」




その場で呆然とする私と唯くん。




「……優花?」




「…」




唯くんが私の前に来て手をヒラヒラさせて生存確認をした。




「生きてる…?」




手の届くところに来た唯くんに、今頃になって涙目になる。



「優花…?」





…そもそも。



なに簡単にキスされてる?


無防備か?どこぞの少女漫画のヒロインか?


そもそも、唯くんがイケメン過ぎるのがいけない。


どうしてこんな超ド級のイケメンがこんなところで寝てるの?


SPをつけてよ、ムキムキ黒人のSPを。







「…ごめん。」



「…」



「…泣かないで。」







ギュッと下唇を噛んで涙を滲ませる私を、唯くんがそっと優しく包み込んだ。




いつもなら嬉しくて仕方ないはずの唯くんのハグが、今日は……悔しい。



唯くんに励まされてしまってるのが、悔しい。






「…優花」




唯くんがまたとんでもなく美しい顔で私の顔を覗き込んだので




「……」




私の怒りが爆発した。







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