唯くん、大丈夫?






ヅラだ。





先生の、ヅラだ。










誰かが「…ナイッシュー」とつぶやいた。





私は硬直する先生の元へダッシュして、ヘラヘラしながら頭に髪を戻した。










「「あははははー」」




私と先生の乾いた笑いが体育館にこだますると、ほどなくしてクラスのみんなにも伝染して大きな乾いた笑いが体育館にこだました。





後にこの事件は『ヅラに玉落としの変』と呼ばれ

私は『九条唯の彼女』という称号に加え、笑いながら先生を社会的に殺した『スマイリーキラー』の称号も獲得し、その名をさらに浦高中に広めてしまったのだった。



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