唯くん、大丈夫?
唯くんは私を一瞥すると、スタスタと歩いていく。



いつも通りだけど、やっぱりちょっと冷たい空気を感じる。気がする。


…えーい、負けるな羽根村!根性見せろ!





「…唯くん!あのね、今日ね」



駆け足で唯くんの隣に並んでヘラヘラ話しかける。



「体育でバスケやったんだけど、私シュートをミスっちゃってね、先生の頭にボール落としちゃって、先生のカツラを取っちゃってさー!」











…唯くんの無表情&ノーリアクションはいつものことだ。うん。




「それでね、先生にお詫びに焼き菓子か何か作ろうと思ってるんだけど、何がいいかなー?」





そこまでしゃべってはじめて唯くんがこちらを少し見る。


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