唯くん、大丈夫?
私の必死の制止も虚しく美琴は唯くんのクラスの扉を勢いよく開けた。




そこには


自分の席で教科書と睨めっこする唯くんと


その背中にピタッとくっつく






紫藤ユリア







「…」





わたしたちに気付いた紫藤ユリアがハッとした顔でこちらを見た。






…唯くん、なんで?

なんでまた、くっつかれるままにしてるの?





「唯!!」



完全にリミッターの切れた美琴が、驚いて顔をあげる唯くんの胸ぐらを掴んだ。


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