唯くん、大丈夫?
「…ねぇ」


「…」


「優花…?」


「…」


「羽根村、優花さーん」


「…なんですか」


私は自分の机で腕の中に顔を埋めて、頭に降る美琴の声にようやく返事をする。


「…えっと……ごめん、ね…?」


「何がですか」


「…優花を巻き込んで暴走しました。ごめんなさい。」


「…」


そんなまっすぐ謝られたら許さざるを得ない。

私はむくりと起き上がって申し訳なさそうに私を見る美琴の可愛いお顔を見る。



「…仲直りできてよかったね」


「…はい」



国際電話で無事に仲直りしたらしい美琴の顔には、昨日の鬼は見る影もない。






唯くんのほっぺを引っ叩いてから一夜が明けた今日。

寝不足で体が重たい。

あのあと唯くんに会わせる顔がなくて、昨日の帰りも今日の朝も、唯くんを避けて時間をずらした。




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