たとえ9回生まれ変わっても
わたしは最近、紫央がいなくなることばかり考えてしまう。
一緒にいると楽しいのに、寂しい。
きっと、シオがいなくなった季節だからだ。
シオがいなくなってもうすぐ1年。
小さいころからずっと一緒だったのに、ある日突然、朝目が覚めたらいなくなっていた。
紫央も、そんな風に突然目の前から消えてしまうような気がする。
なんのお別れもできずに、ひっそりといなくなってしまうような。
紫央とシオは違う。
それはわかっている。
でも、どうしてか、そんな不安が消えないのだ。
ワインを飲んで酔っ払ったお母さんとお父さんは、ソファに横になるなり眠ってしまった。
わたしは2人に毛布をかけて立ち上がる。